近年、欧米のＣＢＤの症例報告やリサーチで、慢性疼痛、不眠症や不安神経症、うつ病の軽減、がん治療における疼痛緩和、慢性の皮膚炎、コロナに関するものまで、数多く報告されてきております。しかし、症例数そのものがまだ多くなく、今後エビデンスが必要な分野ではありますが、使用に対する対処反応が疲労感や眠気レベルという高い安全性と、幅広い効能が期待される観点から、ケミカルな薬の服用を始める前に、一度試してみる価値はあるのではないかと思っています。オーストラリアやニュージーランドでは、ＣＢＤは医療利用されており、医師の処方箋がないと購入できません。一方、日本では医師の処方箋なしで購入でき、自分の判断のみで使用することも可能です。しかし、オイルの品質の信頼性、服用している薬やサプリとの相互作用、量に依拠して正反対の作用が出る特有の二相性、あるいは効果の個人差などを考え合わせると、たとえ自分で使うにせよ、最初はＣＢＤに理解ある医師のアドバイスを受けることをお勧めします。最近では不眠症やうつ病などの治療にＣＢＤを取り入れるクリニックも登場しています。わたし自身、ＣＢＤについては2017年からその効用に注目し、この数年では舌下に垂らすオイル(内用)と化粧品メーカーに依頼して作成した外用(クリーム)を自分でも試し、その効果を体感しています。今回この効果を、多くの方と共有したいという気持ちもあって、この夏から、勤務しているクリニックで「睡眠美容外来」を立ち上げました。従来の薬で効果がなく慢性的な痛みや痒みで困っている方、ストレスや悩みごとで睡眠障害のある方などに、安易にケミカルな薬に頼る前に、重炭酸温浴法の勧めやライフスタイル全般の見直しをアドバイスすると共に、ＣＢＤ(外用、内服)の適切な使用方法を伝えていきたいと考えています。

引用：「睡眠美容のすすめ」西村書店　著者　岩本　麻奈